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地域の子育て力を、はぐくむために。<

#06

広報かしわ 2023年12月号掲載

地域の子育て力を、はぐくむために。

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かしわ子育てまちづくりネットワーク・ここっと 代表三好 玲子さん

「いつも子どもたちから、新鮮な驚きや感動を与えてもらっている」と話すのは、「かしわ子育てまちづくりネットワーク・ここっと」(以下、「ここっと」)の代表、三好玲子さんです。

柏で育ち、市の児童センターの児童厚生員(※1)だった三好さんが目指したのは、子ども・子育ての支援者を“つなぐ”ネットワークづくりでした。地域の子どもたちが、いきいきと健やかに育つ、子育てに優しいまちづくりを目指して、日々どんな活動をしているのか、お話を伺います。

子育て支援を “つなぐ”ネットワークが
「まちの子育て力」を高める。

私が「ここっと」を立ち上げたのは2014年のことです。きっかけは、2013年に受講したかしわ市民大学(※2)の「かしわっ子の未来と地域をつなげる!~レインボーブリッジ大作戦~」という講座でした。子どもたちが幸せに、健やかに育つために何が必要か、地域は何ができるのかということについて学びました。そこで、柏市には子どもや子育てを応援している団体がたくさんあると知り、それぞれに独立して活動をしている団体を“つなぐ”ネットワークをつくることで、切れ目のない子育てに優しいまちができるんじゃないかと考えました。

ネットワークづくりのために始めたのが、現在「ここっと」の活動の軸となっている「柏市子育て応援情報誌 touch」(※3 以下、「touch」)の制作です。ひとつの冊子をみんなで作ることで仲間意識が芽生えますし、取材を通して人や団体が“つながる”ことができます。誌面を通して柏市の「子育て資源」を知ってもらい、その「資源」と読者である「個人」も“つなぐ”。「touch」の制作過程で“つながった”いろいろな方々とのネットワークが「まちの子育て力を高める」と考えています。実際「touch」を通して、お母さん方の視野も広がり、「柏にはこんなに応援してくれている人がいるんだ」という気づきの声もいただいています。

前向きな仲間と情報発信。
活動を通して視野も広く。

「touch」には、子育て支援者や子育て中のママやパパが参加しているので、生の声を聞きながら、いま求められることに応える情報が提供できていると思います。参加者それぞれ、子育て中につらい時期があったり、柏へ越してきて孤独に子育てをしていた経験があるからこそ、いま子育てをしている人たちへ「当時自分が欲しかった情報を届けたい」、「助けになりたい」とおっしゃる方がとても多いんです。

ほかにも「ここっと」では、柏市との協働事業や柏市社会福祉協議会主催の子育て支援団体交流会に協力したり、講座を企画したり。「ストリートパーティー」(※4)や「寺谷ツの森・冒険あそび場」(※5)、「kamonこども夏祭り」(※6)など、子どもたちが思い切り遊んで、子育て中の方が楽しい時間を過ごせるイベントにも協力しています。イベントを通して、観光やまちづくりなど他分野の団体の方とも知り合えるので、視野を広げる良い機会にもなっています。
「ここっと」のメンバーは現在10名。みんな前向きで肯定的に話を聞いてくれたり、若い方々も新しい視点やアイデアをくださってとても楽しく活動しています。一方で、それぞれ子育てや仕事で忙しかったりもするので、力を合わせて補い合っているという面もあります。「穏やかに、無理をしないでやろう」がモットーなので、もっとメンバーが増えるとありがたいですね。

子育てに優しいまちが
人間の営みの「つづくを、つなぐ。」

「子どもたちが幸せを感じて大きくなれるように」、「柏が子育てに優しいまちになったらいいな」という設立当初の思いを、私は都度思い起こすように心がけています。柏は買い物も便利だし、自然も豊かで、子どもたちが遊ぶ場所もたくさんある。近年は、子育て支援がすごく充実してきて、たくさんの施設や制度もでき、拠点も増えて応援してくれる人もたくさんいます。これからは、小学生以上の子どもたち、中高生にとっても、子どもが子どもらしくいられる “居場所”づくりもできたらと考えています。
赤ちゃんが誕生して成長し、中学生、高校生、やがて青年になって、大人になる。そしてまたその人が赤ちゃんを育てて……そんなふうに人間の営みは“つづいて”きました。子育てで困った経験があれば、同じように子育てをしている人に寄り添う。自分が子どもだった頃を思い出して、子どもたちを優しい気持ちで見守る。バスや電車のなかで泣いている子がいたら、微笑んであげるだけでも力になります。そんなふうに少し力を出して行動するひとがまちのあちこちにいて、みんなが“つながっていく”ようなまちを目指しています。そのためにも、私たち大人が、穏やかで寛容に、楽しそうにしていることも、子どもたちの夢や希望にも“つながる”と思っているんです。

※1 児童厚生員
児童館や児童遊園といった児童厚生施設を訪れた子どもたちが、安全かつ自主的に遊ぶことができるように見守り、子どもたちの成長をサポートする仕事。正式名称は「児童の遊びを指導する者」。

※2 かしわ市民大学
街づくりの課題を学びながら議論し、地域での活躍を目指す市民を対象に講座を実施。柏市主催で2011年度にスタートし、2016年の第6期まで開講していた。

※3 柏市子育て応援情報誌『touch』
2017年から柏市の「子育て支援ネットワークづくり事業業務」を受託して、年1回発行している子育て応援情報誌。柏市内の子ども関係施設(児童センター、地域子育て支援拠点、近隣センター、妊娠子育て相談センター、各図書館など)で無料配布している。柏市子育て情報サイト「touchweb」http://touchweb.jp も運営。

※4 ストリートパーティー
⽇曜・祝⽇、歩⾏者天国になるハウディモール(柏駅東口駅前通り)を中心に開催。⼦ども・⾼齢者の居場所づくり、⼦どもが安全に遊べる場所づくり、多世代交流を目的に、柏アーバンデザインセンター(UDC2)が主催している。けん玉やコマなどの懐かしい遊びや、占い、ワークショップなど様々な遊びが楽しめる。

※5 寺谷ツの森・冒険あそび場
柏市の街なかにある約5,000㎡の民有林を整備し、2022年4月から開催。ターザンロープ、ブランコなどがある自然を生かした遊び場で、子どもたちが自分の責任で自由に遊びながら、冒険・挑戦・体験できる。

※6 kamonこども夏まつり
柏まつりの開催に合わせて、kamonかしわインフォメーションセンターで実施しているイベント。ガチャガチャ、くじびき、輪投げなど、子どもたちが楽しめる企画がたくさんある。

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つづくを、つなぐ。

スローガンについて

柏市は新スローガン、「つづくを、つなぐ。」を掲げます。

柏はこれまで、多くの人、新しい考えを受け入れてきました。
みんなが作り上げてきた今を受け継ぎながら、変化を恐れずに進んでいく。
それは、これからも変わりません。
柏の木は、冬のあいだ枯れた葉を落とさず春を迎えます。
その様子は次の世代にバトンを渡すようです。
私たちも柏の木をお手本に
みんなに愛される柏を、しっかり未来へつないでいきます。
ひとりひとりの知恵と工夫が、よりよいあしたへの大きな力になります。
「つづくを、つなぐ。」まちを、一緒につくっていきましょう。

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柏のきづき

かしわの木は、新しい葉が出ないと今ある葉が落ちないということから、次の世代へ絶えることなく結ばれる、縁起のよい木とされています。

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市役所正面玄関前(国道16号線側)に大きなかしわの木があります。市役所に来た際はぜひ見上げてみてくださいね。

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市の木かしわは、昭和45年11月に選定。どっしりとたくましい形と市名との一致が理由で選ばれました。

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