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人がつなぐ、まちのにぎわいを再び。<

#07

広報かしわ 2024年3月号掲載

人がつなぐ、まちのにぎわいを再び。

エリア中央エリア

ウラカシ百年会 会長田中庸介さん

柏駅から少し歩いた柏三丁目の路地裏に広がる、通称「ウラカシ」エリアは、おしゃれな古着屋やセレクトショップが立ち並ぶ人気のエリアです。「ウラカシ」エリアの個性的な店主や柏を愛する人たちが運営する「ウラカシ百年会」で、会長を務めているのが田中庸介さん。セレクトショップを経営する傍ら、まちを盛り上げるためにさまざまな活動に取り組んでいます。

柏で一から商売を始めて、
100年続くようにという思いを込めて。

平成29年11月に発足した「ウラカシ百年会」で、僕は平成30年から会長を務めています。ウラカシエリアでは1990年代後半から2000年代頭にかけて、古着店やアパレルショップの出店が相次いだ時期がありました。その頃僕は学生で、ウラカシへよく買い物にきていたんです。あの頃のにぎわいがすごかったという印象が残っていて、自分がセレクトショップを開いて売り手になったときに、「当時の盛り上がりをもう一度つくりたい」という思いがあって、活動を“つづけて”きました。

「ウラカシ百年会」は、ひとつの通りや一定の地区に集まる商店からなる商店街とは異なる、柏市初の「商店会」です。現在は、柏のさまざまなエリアのお店が加盟していて、その7〜8割は他県の出身者。自分自身もそうなのですが、僕たちにとって柏は第二の故郷なのです。ですから、柏に興味関心があって、柏を盛り上げたいという気持ちがあれば、誰でも入れるという基準を設けています。お店も2代目、3代目とつづく老舗とは違い、初代の方がほとんど。このまちで一から商売を始めて、100年つづくような会を作っていけたらと名付けました。

まちを盛り上げる活動を通して
さまざまなジャンルの人たちと“つながる”。

「ウラカシ百年会」の一番大きな活動は「ウラカシキャラバン」(※1)というイベントです。商店会でエリアを限定しないため、地域の商店街や団体などと連携して、ノマド式(※2)に開催しています。柏駅前で開催していることもあり、若者からファミリー層まで約5,000人の方が訪れます。ほかにも、「PICK UP」(※3)という雑誌の発行、令和元年のラグビーワールドカップで柏がニュージーランド選手の事前キャンプ地になったときは、オリジナルの黒いポロシャツをつくって販売し、まちを挙げて応援しました。

最初は20社だった加盟店も、人が人を呼ぶ形でどんどん増えていきました。いまでは40社ほどが集まる商店会になり、飲食、物販、アパレル、美容、クリエイターや会計士まで、ジャンルもさまざまです。商売をしているだけでは出会えない人たちと“つながる”ことができる、すごくいい機会をいただいています。自分の店も経営しながらなので、最初は大変なこともありましたが、イベントなどは達成感もあって、次に“つづく”ように頑張ろうという気持ちが湧いてきます。

夢を持つ人たちに「つづくを、つなぐ。」
そのきっかけになれたらうれしいです。

「ウラカシ百年会」の理念のひとつに「地域を愛す自由の相互商人の結集」という言葉があります。哲学用語の「自由の相互承認」からなのですが、これは「自分を認めて欲しかったら、他者も認めなければならない」という意味です。地元の人間でなくても柏が受け入れてくれたのであれば、自分たちが活動をするときにも他者を尊重しよう、と。この理念は通していくつもりです。

これからも、みんながやりたいことを率先して打ち出して、そのやりたいことに“つづく”ように、人が“つながって”いく仕組みをつくりたいし、それができる団体を目指したいと考えています。人と人を“つなぐ”には、ちゃんと人と会って、熱量や温度感を感じることが大事だと思います。人と会うことで、思いもよらないヒントや答えをもらったり、パワーや勇気をもらえることもありますから。

僕は、柏が好きで、このまちに住んでいます。学生の頃から柏のポテンシャルを感じていて、「自分が店をやるなら柏でやりたい」という思いが強かったんです。柏は、外の人も受け入れてくれて、やりたいことを実現できるまちだと思います。商店会がアクションを起こすことでまちが盛り上がり、商売としてもしっかり利益がでる。柏という土台の力も借りて、夢を実現する僕たちの活動を見てもらいたい。それが、若い人たちがやりたいことができたときに「柏なら夢が実現できる」と思えるきっかけになれたらうれしいです。

(ウラカシ百年会主催のイベント当時の様子)

※1 ウラカシキャラバン
柏駅東口のハウディモールなどを中心に、ウラカシ百年会の加盟店による飲食や物販の屋台が集まり、チア・ダンスやDJのイベントも開催する。ふくろうなどの猛禽類(もうきんるい)と触れ合ったり、一緒に写真が撮れる「うらかしどうぶつえん」は、子どもたちにも大人気。

※2 ノマド式
「ノマド」はフランス語で「遊牧民」という意味。時間や場所を限定せずに、自由に動いて活動すること。

※3 雑誌「PICK UP」
柏二番街とウラカシ百年会、2つの商店会が柏のおすすめスポットや会社、人を紹介するフリーマガジン。年1回発行しており、ウラカシ百年会HP(https://www.urakashi100.jp/)でもバックナンバーを公開。

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スローガンについて

柏市は新スローガン、「つづくを、つなぐ。」を掲げます。

柏はこれまで、多くの人、新しい考えを受け入れてきました。
みんなが作り上げてきた今を受け継ぎながら、変化を恐れずに進んでいく。
それは、これからも変わりません。
柏の木は、冬のあいだ枯れた葉を落とさず春を迎えます。
その様子は次の世代にバトンを渡すようです。
私たちも柏の木をお手本に
みんなに愛される柏を、しっかり未来へつないでいきます。
ひとりひとりの知恵と工夫が、よりよいあしたへの大きな力になります。
「つづくを、つなぐ。」まちを、一緒につくっていきましょう。

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