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価値ある水辺を、守り育てる。<

#09

広報かしわ 2024年5月号掲載

価値ある水辺を、守り育てる。

エリア東部エリア

EDGE HAUS(エッジハウス)代表油原祐貴さん

変わりゆく季節を感じ、1日のなかでもさまざまな表情を見せてくれる手賀沼。心地よい時間が流れる湖畔に、手賀沼漁業協同組合が運営する「手賀沼フィッシングセンター」があります。ここを拠点に、手賀沼周辺の地域活性化事業に取り組んでいるのが、EDGE HAUS(※1)代表の油原祐貴さん。「奥手賀」と名づけた手賀沼の東側エリアで、豊かな自然を生かしたさまざまな取り組みが、いま注目を集めています。

柏の魅力にハマって独立、
手賀沼活性化の挑戦が始まりました。

僕は以前フリーペーパーの企画営業をやっていて、柏市を担当していました。柏駅前のお店は、個人店がすごく魅力的なんです。個性もあるし、お客さん同士のつながりもまた良くて。そのつながりが「ウラカシ百年会」(※2)を形成し、独自の文化を生んでいます。何より、僕が店のオーナーさんたちの魅力にハマってしまって(笑)、マスメディアとしてではなく、自分自身の仕事として柏に携わりたいと思うようになり、会社を辞めて柏で独立しました。

独立後は柏駅周辺の活性化イベントや街コンなどを手がけていましたが、平成28年に「手賀沼アグリビジネスパーク事業推進協議会(以下、アグリ協議会)」(※3)が立ち上がり、「 “農業”の視点で地域を活性化できないか」と声がかかりました。実はアグリ協議会発足前に、農家の皆さんの(農業の)6次化を取材する活動もしていたんです。地域の農家のみなさんの「変わらなきゃいけない」「新しいことをやっていこう」というエネルギーは、独立のきっかけになった柏駅前のオーナーたちに決して負けていなかった。その勢いやアイデンティティにすごくポテンシャルを感じていました。

また、僕自身手賀沼の活性化に関わるようになったのは、当時の農菜土(※4)の社長の「地域を体験農園で盛り上げたい」という想いがきっかけでした。自分自身の経験を活かして、多くの人に農を中心とした手賀沼地域の魅力を「体験」というキーワードで提供できる仕組みを作れるよう、努力しようと思いました。

手賀沼の活性化に関わるようになったきっかけを語る油原さん

農家のみなさんと一緒に目指す未来をカタチにする過程のなかに、今もいる。

手賀沼周辺の活性化として、まずは手賀沼の東側エリアを「奥手賀」と名づけ、手賀沼周辺の「豊かな自然を楽しめるエリア」と定義しました。地元の農家さんたちとの会話を楽しんだり、ゆったりと時間が過ごせる場所として、手賀沼漁業協同組合が運営している手賀沼フィッシングセンター(※5)を拠点に、「手賀沼ウィークエンド」という「手賀沼での過ごし方」を提案するイベントをはじめました。

四季折々で様々な農作物を収穫できる農作業体験、魚釣りやSUP・カヌーなどの水上アクティビティ、バードウォッチングなど。さまざまな自然体験を提供してくれるのは、農家さんだけでなく、もともと手賀沼を楽しみながら活動していた地域の方や市民団体です。コンテンツを提供してくれる団体を「ヌマベクラブ」(※6)という水辺のコミュニティでつないで、手賀沼の価値をみんなでシェアしていこうと情報発信をつづけています。

そして、いまも農家さんからはどんどん新しいチャレンジが生まれています。そのべいちご園の農園の拡張や、エグチライスファーム代表の江口さやかさんによるワイン用ぶどう栽培のスタート。また、兼業農家のミドルシニア世代の柔軟な発想で、実家を活用した体験農園や民泊構想といった新しい動きもあります。なにか大きな風が吹いていて、みなさんと目指す未来を少しずつ一緒にカタチにしている過程の中に、今もいると思っています。一方で、人口減少の加速や世界的なSDGsへの意識の高まりなど、地域や環境を取り巻く状況は変化しています。だからこそ、僕たちの活動の着地の姿も、常にアップグレードしていかなければならないと思っています。

自然の中に立つ油原さん

地域に暮らす人々が大切にしてきた
魅力あふれる手賀沼の「つづくを、つなぐ。」

手賀沼は一見何もない場所でしたが、外に見えていなかっただけで、すでにたくさんの魅力がありました。もっと、手賀沼の良さを「見える化」して「価値化」していきたい。だけど、その取り組みを行っている僕自身は、茨城県出身で外から来た人間です。最近は柏市内だけでなく、近郊のまちから訪れる方も増えるなかで、地元の方、特に年配の方々には不安もあると思います。だからこそ地域の方とは、日頃からより会話を重ねて、手賀沼をどうやって守り、活かしていくか。このまちにどんな価値があるのか。顔を見たらどんなに遠くにいても挨拶をかわして、僕たちの考えを丁寧に伝えるように心がけています。

手賀沼は、富士山や筑波山のように目指して行く観光地ではなく、ただそこにある自然、暮らしの場所なんです。手賀沼を大切にしてきた地域の方にとっては、あまり変わってほしくない場所でもあります。大事なのは「暮らす人たちにとっての手賀沼」が“つづく”こと。手賀沼本来の魅力を自然な形でシェアして「手賀沼っていいよね」といってくれるファンに“つなげて”いけたらと思っています。

また、手賀沼周辺には子育て世代も多いんです。子どもたちが手賀沼の自然のなかで学び、遊べる場をつくりたいと、「ヌマベの楽校(がっこう)構想」(※7)にも取り組んでいます。現在は土手で囲まれている「見る手賀沼」ですが、生きもの観察などもできる「楽しめる手賀沼」にしていきたいですね。そのなかで、手賀沼の歴史も伝えていけたら。かつて子どもだったおじいちゃん、おばあちゃんたちが手賀沼に愛着を持っているように、ここで育った子どもたちも手賀沼に親しみを持って育ってくれるとうれしいです。

手賀沼は、環境保全と経済活動の好循環が生まれる、これからの日本の地域のモデルのような場所になる可能性を感じています。自分自身しっかりと関わり続け、10年先にそんな姿が少しでもカタチになっていたら良いなと思います。

※1 EDGE HAUS
柏の資源を活かし、地域活性化事業やエコツーリズムの企画・運営、地産地消レストランやBBQ・キャンプ場などの運営を行っている。
https://www.edgehaus.jp/

※2 ウラカシ百年会
商店街という“通り”の枠を超えて、柏という“エリア”で活動する新しい形の「商店会」。飲食店、アパレル、物販、デザイナーなど、柏で商売をしている人、柏に興味関心がある人を中心に構成されている。
詳しくはウラカシ百年会 田中庸介さんインタビュー

※3 手賀沼アグリビジネスパーク事業推進協議会
手賀沼周辺の地域資源を活用した農業振興・地域活性化を目指す柏市の「手賀沼アグリビジネスパーク構想」を推進するため、平成28年度に設立。地元農業者や民間事業者,NPO法人を中心に構成され、同年度に新たに策定した「手賀沼アグリビジネスパーク事業戦略プラン」に基づき、農業を主体とした観光・レクリエーションにより、手賀沼周辺に人を呼び込み、購買・消費・体験することにより農業を進行していくことを目指している。

※4 農菜土
手賀沼周辺の農家・農園がメンバーである農菜土は、2012年より収穫体験を開始。都市部と農村部をつなぐ交流ツールとして、食育の一環、また生産者の思いを伝え、少しでも就農する人が増えるよう活動している。
https://www.no-side-kashiwa.com/

※5 手賀沼フィッシングセンター
手賀沼漁業協同組合が経営しているレジャー施設。 ドッグラン、ニジマス釣りが楽しめる釣り堀もある。EDGE HAUSが運営する地産地消カフェ「numa café」、BBQ・キャンプ場「Kingfisher Garden」も併設。
http://www.teganuma-fish.com/

※6 ヌマベクラブ
手賀沼の湖畔空間「ヌマベ」をフィールドに活動している団体の集まり。参加団体みんなで手賀沼の魅力を分かち合い、未来について考えながら活動している。
https://teganumaweekend.com/waterfrontproject/numabeclub/

※7 ヌマベの楽校構想
手賀沼フィッシングセンターを拠点に手賀沼周辺を「都市に暮らす親子へ自然体験を提供する場」として育てていく構想。周辺に住む親子が日常に近い形で手賀沼に関わるきっかけづくりに取り組んでいる。

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つづくを、つなぐ。

スローガンについて

柏市は新スローガン、「つづくを、つなぐ。」を掲げます。

柏はこれまで、多くの人、新しい考えを受け入れてきました。
みんなが作り上げてきた今を受け継ぎながら、変化を恐れずに進んでいく。
それは、これからも変わりません。
柏の木は、冬のあいだ枯れた葉を落とさず春を迎えます。
その様子は次の世代にバトンを渡すようです。
私たちも柏の木をお手本に
みんなに愛される柏を、しっかり未来へつないでいきます。
ひとりひとりの知恵と工夫が、よりよいあしたへの大きな力になります。
「つづくを、つなぐ。」まちを、一緒につくっていきましょう。

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